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ふと思い立った第二弾。
何かしらの悩みを抱えている時って、こんなに悩んでいるのは自分だけだとか辛いのは自分だけだとかそういう思考に陥りやすい。自分だけとまではいかないにしても、こんな境遇に置かれている人は早々いないだろうとか。とにかく辛い自分が特別であるかのように思えてしまうものだ。
悩んでいる時、辛い時というのは視野が狭くなる。だからこそその考えに拍車がかかる。
少し問題から離れてみれば解決策が見えてきたり、思ったほど重大な問題でもない気がしてきたりする。
ただそれって自分一人でなかなか気付けるものではない。
誰かがこうしてみたらってアドバイスをしてくれることで気付くかもしれない。誰かに悩みを話すことで自ら気付くこともあるだろう。
どちらにせよ他者の存在が重要である。
ただ厄介なのが、他者というのが誰でも良いという訳ではないこと。
聞く力があり、なおかつ自己満足的なアドバイスをしない人、相手の求めていることを汲み取れる人、相手の立場に立って物事を考えられる人ではくてはならない。
最低限、聞く力があるだけでも良いが、これを全て有している人が最も相談相手として適していると言えるだろう。
ここからはそんな相談相手になるためには、ということで少し書こうと思う。
女性が相談を持ちかける時は聞いて欲しい時だから共感しておけば良い、なんていう記述を見かける。それは概ね正解ではあるが少しずれている。
何か悩み事がある時に聞いて欲しいと思う気持ちは程度の差こそあれ、男女共通してあるものだ。
男性の視点に立つと、相談というものは相手に意見を求めるものだという認識が強い。
「こんな感じで困ってるんだよ」という話に対して「こうすればいいんじゃね?」という返答が正解となりうる。
女性の視点に立つと、相談というものは自分の気持ちを理解してもらうものという認識のような気がする。(私は女性ではないので想像に依る所が大きく断言はできない)
先程と同様の「こんな感じで困ってるんだよ」という話に対しては「それは困ったね」という返答が無難である。
この後の展開として解決策を提示することが必要になってくるかもしれないし、このまま話を聞くだけで相手は満足するかもしれない。
まとめると、男性は、相談→解決策という結論まで直通でも良い場合が多く、女性は、相談→共感→解決策という手順を踏む必要があるのではないかというのが私の考えである。
もちろんここで言った男性女性が入れ替わるケースも多分にあり得る。
男性相手だから女性相手だから、こうしておけば良いというテンプレートはないに等しい。せいぜい心掛けておけばうまくやれるかもしれないという程度だ。
相談を受ける時に一番重要なのは、相手の立場で考える事。それができないと自分の意見の押しつけになってしまう。いくら正しいことを言ったとしても、相談してきた相手がそれを求めていなければ意味が無い。相手の気持を無視した意見は結局自己満足でしかなく、相手に何も分かって貰えていないという気持ちを抱かせる原因となる。
男女の認識の違いはあるが、性差で考えるのではなく相談してきた相手のことを考え、求めているものを提示することが良い相談相手になる為に必要なことだろう。
さてここまで書いて、相談される側って相談する側の感情の吐露を理性的に受け止め、なおかつそれを許容し、更には解決へと導くとか凄く高度なことしてるんじゃないかと思った。
これを完璧に近いレベルでこなせる人がカウンセラーとかやってるんだろうか。
完璧なんて無理な話だから、こういうことを意識しているだけで少しはましなんじゃないかなと思っている次第。
相談される側の話ばっかりだったので、逆も少し。
相談する側は自分の気持ちを相手に理解してもらう努力が必要。辛いし苦しいのをどうにか分かってもらうためには、なるべく言語化し相手に伝えることが重要だ。付き合いが長い相手であれば多くを語らずとも理解してもらうことは可能かもしれないが、言葉が必要ないとか伝える努力が必要ないわけではない。
自分の悩みを聞いてくれる相手は、少なくとも自分のことを受け止めようとしてくれているんだと思えば、無責任なアドバイスも少しだけ好意的に受け止められるかもしれない。
分かってもらえないと嘆くよりも分かってもらえるように努力することが必要なのかなあと。
伝えなくちゃ分からない、ってのはよく分かっているんだけどなかなかできないもの。私もそう。
素直な気持ちをさらけ出すとか、自分のダメな部分を見せることにはやはり抵抗感が伴う。
相談というのはそういう部分を見せても良いと思える相手にするのが一番いいんだろうなと思うのでした。
終わり。