GOSICK感想。

 角川文庫版のGOSICKを読みましたので、感想を書いておきます。
 最近、感想・レビューブログみたいになっていますが、まぁそれもいいでしょう。
 
 では感想。
 ヴィクトリカちゃんかわいい。妙に達観した、尊大な態度の女の子。それとペアで、頼りなさ気な男の子が付くのはもはや様式美。
 キャラの立たせ方はラノベ的で、性格付けもよくある感じ。文章表現も分かりやすいし、情景描写も丁寧にされていると感じた。裏をかえせば分かりやすい、単純な表現が多く、文学的な面白さに欠けていたのかもしれない。
 読者に読み進めようと思わせる、話の展開は素晴らしいし、オチのつけ方も良かった。
 ラストの展開は感動を覚えた程。
 読んでいて凄く気になったのが、Twitterでも言ったのだけれど、台詞前の地の文のぶつ切り具合。これどうやって表現したらいいか分からないので、こういう言い方になってしまうのですが、伝わりにくいかも。
 例えば

「あるんだよ、これが」
 一弥はなぜか顔を曇らせた。不思議そうにしているアブリルに、
「すごく高いところにね……」
「なにそれ? ね、このヴィクトリカくんって、久城くんと仲いいの?」
 アブリルの問いに、セシル先生はうれしそうにうなずき、一弥は微妙に首をかしげた。

桜庭一樹GOSICK』(角川文庫、2011年)

 引用させて頂いた文章を見ると、地の文がぶった切られて台詞に入ってる感じがする。台詞の後に”と言った。”というような文章が入れば、まとまって感じるのだけれど、それが無いためどうにも落ち着かない。
 もちろん小説に置いて、そういう表現方法があるのは知っている。しかし今回の場合、多用されすぎかなぁという印象。
 読んでいてリズムが悪く感じられてしまう。(あくまで個人的な意見です)
 誰にでも自分に合った文体というのがあるので、今回はあまり合わなかったのかもしれません。
 文章が気になりはしましたが、全体としてはとても楽しめたので続巻も読んでいきたいと思います。
 終わり。